村上春樹のコトバ 【卒業生に贈られた言葉@アメリカ】

息子の高校でも、コロナウィルス影響下で卒業式が中止になってしまった。学校側は中止ではなく延期にしたがっているけれど、州の取り決めを待ってる状態。

今朝、卒業式にかわる動画がYoutubeで配信された。
ガランとした高校の敷地内を、校長先生がスピーチしながら歩いている。

卒業式が行われるはずだった、広大なフットボールフィールド、体育館、今は亡き有名な建築家による、地元のアイコン的存在となっている校舎などを歩きながら、話し続けている校長先生が、とつぜん、こんなふうに言った。

『村上春樹という日本人作家は、その作品の中でこんなふうに書いています』

And once the storm is over, you won’t remember how you made it through, how you managed to survive. You won’t even be sure, whether the storm is really over. But one thing is certain. When you come out of the storm, you won’t be the same person who walked in. That’s what this storm’s all about.

そしてその砂嵐が終わったとき、どうやって自分がそいつをくぐり抜けて生きのびることができたのか、君にはよく理解できないはずだ。いやほんとうにそいつが去ってしまったのかどうかもたしかじゃないはずだ。でもひとつだけはっきりしていることがある。その嵐から出てきた君は、そこに足を踏みいれたときの君じゃないっていうことだ。そう、それが砂嵐というものの意味なんだ。
「海辺のカフカ」 村上春樹著


アメリカではわりと有名な『名言』になっているようで、検索すると、この言葉が画像が数えきれないほど出てくる。



アメリカでは人気作家とはいえ、どうしてこの言葉がピンポイントで人気があるのかと思ったら、NYタイムズの年間「ベストブック10冊」と『世界幻想文学大賞』に、この英語版が選ばれたことがあったよう。


 

読んでみようかなと思ったのに、キンドル版が出ていないのが衝撃。
こんなに評価されている作品なのに?

 

英語版は出ているのに。


こんな状況の中で、学生たちは今さら重苦しいスピーチなど聞きたくないと思うけど、校長先生の言葉は、耳に心地よい軽さのある前向きなもので、私の心に残ってしまった。




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