ホアキン・フェニックスと「リターン・トゥ・パラダイス」


ホアキン・フェニックスが掴みどころのないミステリアスな男だと思われていることは、昨日アップしたナイトショウのインタビューを見ても分かる。


なんとなく影があると思えてしまうのは、若くして急死した兄のリバー・フェニックスのことがあるからだろうか。彼のことをよく知らない私ですら、ホアキンといえば、リバー・フェニックスの弟というイメージを拭いきることができない。でも、それだって覚えている人はどんどん少なくなってきているのかもしれない。

ホアキンは役にのめりこむことで有名な名優で、ときとして映画そのものよりも彼の役柄が強く印象に残ってしまうことがある。「ジョーカー」はそのひとつとなるに違いない。

私にとっては、「リターン・トゥ・パラダイス」という昔の映画があまりにも衝撃的で、今でも頭の片隅に残っている。

1998年に公開されたこの作品は、もしかしたら世間的には今ひとつだったのかもしれない。あまり話題にならなかった気もするし、そもそも、日本では未公開だ。(現在、アマゾンではDVDを購入することができる)




その名のとおり、マレーシアのパラダイスではめを外して大きな代償を払うことになる、アメリカ人青年たちの話なのだけど、そのうちの一人がホアキン・フェニックス。もう一人はなんとヴィンス・ヴォーンだ。2人ともすっかりおっさんになってしまったけど、どちらも現役で活躍しているのはさすが。


「リターン・トゥ・パラダイス」




ジョンはマレーシアを訪れ、旅先でルイスとハーバード大生のトニーに出会う。意気投合した三人の青年たちは酒と女と麻薬が溢れる5週間を満喫する。
ハメを外し過ぎて壊れてしまったレンタルの自転車を森に投棄した翌日、環境保護のために滞在していたルイス以外の二人はアメリカに帰国するが、それから2年が過ぎたある日、弁護士を名乗る女がジョンの前に現れ、ルイスについて語り始める。
その内容は、

二人が帰国した後、貸自転車屋が警察を連れてルイスのもとを訪れた。その際、訪れた警察はコテージから104グラムの大麻を見つけ、ルイスを大麻所持で逮捕した。ルイスは現在も服役中である。
所持量が100グラムを超えるとマレーシアの法律では売人と見做され、罪状が密輸になる。
売人の嫌疑を払うためには三人で責任を分担する必要がある。
残る二人が戻り服役すれば全員が刑期3年に。
一人戻れば6年。
誰も戻らなければルイスは売人として処罰される。
売人に対する処罰は絞首刑による死刑。
刑執行は8日後。
(Wikiより)
思わず見たくなりませんか?




ホアキン・フェニックスの名演技


この映画はサスペンスの要素を持ちつつ、人間ドラマでもあるのでハラハラ、ドキドキである。たった1度見ただけなのに、どうしてこんな大昔の映画を覚えているのかといえば、やはり、ホアキン・フェニックスの演技力につきる。いや、ヴィンス・ヴォーンだってよかったが。

上のあらすじを読まれたかた、ホアキンが演じたのはどの青年だと思いますか?。。





そう。容疑をかけられてしまった青年。

マレーシアという異国の堀の中に残されて、絞首刑になるかもしれない、その耐え難い恐怖感を、見事すぎるほどに演じきり、クライマックスシーンなんて、もう。。


 
画像が荒くてびっくり。90年代なんてもう大昔なんだなと実感。。


もう少し詳しいあらすじはここで読めます。内容にちょっと誤記がありますが。




個人的にショッキングだったそのわけは

実によくできたサスペンスドラマだと思いきや、実話をもとに作られたというからゾッとする。

ただ、マレーシアや東南アジアに行ったことがない人は、あまり実感が湧かないかもしれないし、それほど心に響かないのかもしれない。
私が衝撃を受けたのは、自分が実際に映画の舞台であるペナン島に何度か行ったことがあるし、映画が撮影されたプーケットに住んでいたこともあるからだ。

私はそのとき、すでに海外旅行や海外生活に多少慣れていたとはいえ、日本で生まれ育ったことによる危機感のなさで生きていたし、ドラッグや飲酒とは無関係の生活をしていたために、そうした世界など想像したこともなかった。

だけど、目と鼻の先にあったということだ。
本当にぞっとする。

誰を信じればいいのか分からなくなる世界で、よくぞ無事でいられたと思う。大袈裟かもしれないけれど、ある意味、奇跡的だったのかもしれない。

つくづくそう思ったのは、同じ頃に、タイの刑務所を舞台にした同じような映画が公開されていて、それも観に行ったから。こちらは女性版だが、映画のプロデューサーがタイを旅行したときに、アメリカ人の若者たちが麻薬に関する無実の罪で刑務所に入れられている事実を知ったことから、つくられた。ということで、もちろんタイでは未公開。


残念ながら、この映画に関しては何も覚えていない。。
ホアキンが出ていなかったからかもしれない(笑)

私はこの2作品を先に見ていたら、たぶんタイやペナンには行かなかったのではないかと思う。

だけど結果的には、素晴らしい生活を体験することができた。それは、ひとえに地元のひとたちのおかげ。危ない事件に巻き込まれるどころか、現地の人たちにずいぶんと助けられていた。本当に、感謝の気持ちしか残っていない。



A Prayer Before Dawn


タイの刑務所における実話の映画化といえば、2年前にこんな映画が出ていた。



邦題は「暁に祈れ」


ストーリー
ボクサーのビリー・ムーアは、タイで自堕落な生活を送るうちに麻薬中毒者になってしまう。ある日、警察から家宅捜索を受けたビリーは逮捕され、タイで最も悪名高い刑務所に収監される。そこは殺人、レイプ、汚職が横行する、この世の地獄のような場所だった! 死と隣り合わせの日々を過ごすビリーだったが、所内に設立されたムエタイ・クラブとの出会いが彼を変えていく・・・・・・。(アマゾンより)

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