映画「ジョーカー」を3倍楽しむ



超久々に映画を観に行ってきた。
最近はこの街の映画館も、足をのばして背もたれを倒せるリクライナーチェアが主流になってきたので、長時間の作品だって心地よく見れる。本当だったらもっと頻繁に行ってもいいのだけど、あんまり観たい作品がない。

私達が観たのは、もちろん「ジョーカー」。
ホアキン・フェニックス主演、トッド・フィリップス脚本と監督。



ヒース・レジャー演じる伝説のジョーカーの存在が偉大すぎるというのに、そんなプレッシャーをものともしないような完成度の高さに圧倒されてしまった。

いつもながら、役にのめりこむホアキンが異様な雰囲気を放ちまくり、ガリガリにやせて老化していたのでさらに痛ましかった。。。。でも、撮影後の彼はすっかり体重を取り戻してこんな感じに。



メークのせいもあるのかもしれないけど、若い!
映画の中の彼と全然違う。他人事ながら、ちょっと安心。




この作品については色々なサイトが色々な分析や解説をしてるので、ここでは違う角度から好きに書いてみたいと思う。

"All I have are negative thoughts."


小さいころから母親に、ハッピーな顔をしなさいと言われ続けてきたアーサー。貧しいながらも親子で仲良く生活している。優しいアーサーは母の面倒をよく見ているし、人々を笑わせるためにコメディアンになりたいと思っている。ピエロになって入院中の子供達を楽しませる仕事も気に入っていた。


でも、薬を処方してもらうために毎月面談しているセラピストに、何を感じているのかと聞かれると、こう答える。

僕の中にはネガティブ思考しかないよ。

ハッピーな顔をしなければ、とつねに意識している。人を楽しませている。コメディアンで成果することを夢見ている。そんなアーサーの日常は、だが、目をそむけたくなるほど悲しい現実だ。

ここでエイブラハム流的なことを言えば、自分はハッピーな人間だと断言したり、本気でそう思っていたとしても、実際にそう感じていなければハッピーな現実は引き寄せることはできないし、夢もなかなか叶わない。

言葉と波動は違うものだから。
そして、自分はハッピーな人間ですと言っている人間に限って、実は目の前の現実に反応しまくっていたりする。嬉しいことが起きたらめちゃくちゃハッピーな気分が続いても、次に嫌なことが起きると動揺しまくる。それは、本当にハッピ―な人間ではない。

少なくとも、アーサーはそれを理解しているが、彼の現実世界では、それを乗り越えるハードルが他の人たちよりもずっと高い。
 

どうしてもダブってしまう名映画


「ジョーカー」は息子に誘われて行った。彼はこの映画を何か月も心待ちにしていた。人間は誰しも、映画や小説やアートの中に暗い闇や苦しみを見つけて、そこに共感したり、想像したり、すっかり感情投入したりするわけだけど、映画を見たあとで、彼がこの作品に興味を持っていた理由がすぐに分かった。

ちょうど1カ月ほど前に、「昔の名映画だよ。ママの気に入るか分からないし多分趣味じゃないと思うけど、高く評価されている作品だから一度は観てみるといいよ。」と言われてアマゾンプライムで一緒に観たのが、名匠マーティン・スコセッシ監督の「タクシードライバー」だったから。主演はもちろん、若かりし頃のロバート・デ・ニーロ。すっかりおじいちゃんになった現在、「ジョーカー」で重要人物を演じている。

「タクシードライバー」はかなり昔の映画すぎて、さすがの私も見たことがない。公開年月は私がまだ子供の頃だ。
70年のニューヨーク。ベトナム戦争帰還兵のトラビスの、心の傷と孤独感。正義感を持ちつつ、狂気的こじらせてゆくさま。音楽や設定、スクリプトも似ていて、私の中では、「ジョーカー」と「タクシー・ドライバー」が完全にダブってしまった。



「ジョーカー」と「タクシー・ドライバー」

調べてみると、それもそのはず。「ジョーカー」が「タクシー・ドライバー」に大きく影響されている映画であることは数か月も前から周知の事実だったらしい。

こんな合成画像まであった!

https://www.deviantart.com
「ジョーカー」の監督トッド・フィリップス自身が『タクシードライバー』に影響されたことを認めた。しかもそれを撮ったマーティン・スコセッシ監督にエグゼクティブ・プロデューサーの依頼をしていたそうだ。忙しくて実現しなかったとはいえ、色々と協力してもらえたそうだ。デ・ニーロやスコセッシ監督の協力があってこそ、この完成度の高さだったのかもしれないが、繋がっていたのか~、と一人で納得。


「ジョーカー」を3倍楽しむ方法

ということで、まとめ。

「ジョーカー」は、マーティン・スコセッシ監督とロバート・デ・ニーロ出演による『タクシードライバー』(1976)と『キング・オブ・コメディ』(1982)に深く影響を受けいる。
そして、その3作品に出演しているロバート・デ・ニーロという俳優を通して繋がっている。それは監督自らが認めることでもある。

「ジョーカー」を楽しんだ人は、『タクシードライバー』と『キング・オブ・コメディ』を見ることで、3倍楽しめることになるのかもしれない。



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