一昨℮スポーツ(エレクトロニック・スポーツ)のことをちょっと書いてから、自分がいかにその世界について知らないでいたかを悟ったので、この本を読んでみた。
(キンドルアンリミテット会員は無料)
『読者のみなさんがいわゆるゲームの大会という言葉からイメージするものとはかけ離れたものといえます。その規模は本当にサッカーのワールドカップと変わらないというか、観客の声援が頭の上から降ってくるようなすごさだったのが今でも忘れられません。eスポーツは、これだけ観客を熱狂させる魅力を持つ協議なのだなと生身で実感しました。』(アマゾン解説より)
フォートナイトのワールドカップの動画を見ただけでもそれは伝わった。ただ私には、ゲーマーたちがアスリートと呼ばれることは、まだ少し抵抗があるのだけど、世の中も意見が分かれているようで、
ゲーマーはNerd(ナード)であってアスリートなんかじゃない!と思ってる人は#nerdsNotAthletesでツイートしている。その反対もツイートできる。
Should professional video gamers be considered athletes? Vote #GamersAreAthletes💪 or #NerdsNotAthletes🎮 https://t.co/yKzmx75lWG pic.twitter.com/5Z2Fu80sBY— The Tylt (@TheTylt) September 20, 2016
私が『プロゲーマーはアスリートじゃない』と思ってしまうのは、世界中からキャンプにやってくるアスリート志望の子供達のトレーニングの様子を見たりしているからかもしれない。特に夏はサマーキャンプがあって私も仕事で行くことがあり、汗だくになって頑張ってる彼らを見ると、ゲームとは絶対に分野が違うと感じてしまうのだが、
前述の本にはこう書いてある。
『プロゲーマー(eスポーツ選手)は1日の多くをゲームを練習する時間に当てているけれど、対戦相手の分析をしたり、世界のプレイヤーの映像を見たりして戦術の研究をしている。また、体力が必要だからジムに通ったりメンタルトレーニングを取り入れているチームもある。』
。。。同じかも(笑)
座っているか、体を動かしているかの違いは大きいとしても。
2010年に日本人の梅原大吾氏が「世界一長く賞金を稼いでいるプロ・ゲーマー」としてギネスブックに認定されたそうだ。
「小学生からゲームが好きだった僕は、勉強も部活もしてこなかった。だからこそ、ゲームを通して自分を成長させるのだ」17歳で世界大会優勝。その後、一度ゲームを辞めた時の挫折感、そして復活、再び世界一になり、プロ契約。
「たかがゲーム」という世間の冷たい視線に耐え、「どうすれば自分を向上させることができるのか」を常に考え抜いてきた。「楽な勝ち方ばかりしていてはやがて勝てなくなる」「変化なくして成長なし」「最もライバルが多いゲームをあえて選ぶ」など、彼がこれまで実践してきた、勝ち続けるための勝負哲学は、ゲームの世界のみならず、いまの社会を強く生き抜くための指針でもある。』アマゾン解説より。
面白そう。奥が深そうだ。読みたくなってしまった。
でも結局は、人生そのものがゲームなのだ。
家から出ずにゲームをやり続け「ゲーマー」のレッテルを貼られていた子が、上達しすぎていつの間にか「プロ・アスリート」として脚光を浴びていたり、そうやって海外のリーグに参加しようと決めたら、ゲーマーとしてのビザが下りずにトラブルが起きたり。考えていなかったことがいろいろと起きる。
以下は私が見てきたことだけど、
アスリートへの期待をかけられて奨学金をもらいスポーツ進学した子が怪我で試合に出られなかったり、親の期待を背負って留学に来たのに、生活環境が合わなくてドロップアウトしてしまったり、
クラスで一番人気のあった成績優秀な子が引きこもりになってしまったり、ひどいニキビで自尊心を失った子が、アイドル系のシンガーになってしまったり、大成功している親の会社を継ぐのかと思いきや、マリワナ中毒になって違う方向に進んでしまったり、と、書いていればキリがない。
親が思い描いて敷いたレールを子供が走ってくれるとは限らないし、たとえ子供にその意思があっても予想もしないことが起きることもある。何の保証も約束もなく、まるで人生そのものがゲームのようだ。ずっと展開し続けるから、今の現状は一時的。
eスポーツの展開も今は通過地点にすぎない。将来的にはオリンピック競技になると言われている。学科を設置する大学もできたし、eスポーツ留学の学生も増えてくるのかもしれない。スポーツバーに設置された数台のテレビの中に、ビデオゲームリーグを映す場所も出てくるのかも。
もう、展開してしまったのだから、あれこれ批判するよりは、流れに乗った方が楽しくなる。
もう、展開してしまったのだから、あれこれ批判するよりは、流れに乗った方が楽しくなる。