セラピーアニマルが増え続ける現状 【米国】


デルタ航空を利用した乗客が、同じフライトに乗り合わせた乗客が連れていたセラピードッグに襲われて28針縫う怪我を負うという2年前の事件に対して訴訟を起こした、という記事を目にした。



事件はちょうど2年前、アトランタ発サンディエゴ行きのデルタ航空の中で起きた。乗客であるジャクソン氏は、別の乗客であるマンディ氏が連れていたセラピードッグに噛みつかれて大怪我をした。
彼が座る席の前列が血まみれになったという。犬は、チョコレート・ラブラドールとポインターのミックスだった。


↑こんな感じの犬
ファミリータイプの犬であると同時に、ハンティングで活躍するエネルギッシュな犬種。
訴訟金額や他の詳細は記載されていない。

ソース元:怪我の観覧注意FOXNEWS

米国ではペットの動物を手荷物扱いで機内に持ち込める。

介助動物や精神的サポート用のセラピーアニマルは、追加費用もなくケージなしで機内に同伴することができるが、騒いだり、機内を汚したり他の乗客とのトラブルも発生していた。


この規定を悪用して、ちゃんと訓練されていないペットをタダで飛行機に乗せようとする人たちがいる。

デルタ航空は規定を強化し、すでに1年前から搭乗の48時間前に動物の健康状態のレポート、および搭乗者の状態に関する医師の文書の提出などを要求しているし、ピットブルに関しては全面的に同行禁止となっている。

私が住んでいるアメリカの街でも、セラピーアニマルを見かけることが多くなってきた。カフェはもちろん、レストランや店の中を、セラピージャケットを着た犬が飼い主に連れられて歩いている姿は珍しくない。

私はまったく気にならないが、動物好きな人たちが多いアメリカでも、さすがに不満の声が耳に入ってくるようになった。

犬アレルギーだったり、潔癖症だったり、ウエイトレスたちが犬にべたべた触るのが気になる人にとっては、公共施設や機内で犬たちと隣り合わせになるのは不快かもしれない。

そんな私も数年ほど前、愛犬であるジャーマンシェパードをセラピーアニマルにしたことがある。

犬と同居できる場所に住んでいたのだが、規定が変わって大型犬を飼うことが禁止になり、マネージメントの人たちから犬を手離すように言われた。そんな理不尽な要求に対するたった一つの解決法が、愛犬をセラピーアニマルに認定させて、敷地内を歩くときにはそのジャケットを身につける、ということだった。

私達はその要求を飲み、プロセスのひとつである心理セラピストのもとに訪れた。当時引っ越してきたばかりであり、息子が新しい小学校に転入する直前に、生まれたときからずっと一緒に過ごしてきた愛犬を手離すことは精神的ダメージが大きいかもしれないという旨を一筆書いてもらった。

それから近くのシェルターに行き、アニマルセラピーのクラスを愛犬と一緒に受けたが、それは訓練などと言うものとはほど遠い。セラピードッグとはいえども、目の不自由な人たちをサポートするサービスドックとは格が違う。

愛犬はしっかりと躾けができていたが、マネージメントの人たちを安心させるために、さらに躾け教室に通わせて認定証を貰い、週に一度、近所の中学校で行っている「犬に読み聞かせて読書力をつけるクラス」や、老人ホームの「犬と触れあってまったりする」時間のボランティアに愛犬を連れて貢献した。

当時はセラピードッグがそれほどいたわけではなかったので、ジャケットを着たまま散歩に連れていくと、色々と質問責めにあった。
でも、基本的に飼い主は、「どうしてセラピードッグが必要なのか、飼い主の症状や病名を説明する」義務は一切ない。

つまり、レストランや店は、愛犬を連れた私を止めることもできないし、理由を聞いてもいけないということだ。

だけど最近では、簡単にセラピードッグ認証を送ってくれるサイトが登場してきた。いくつかの質問に答えて審査が通れば、$200ほどで医者の承認が送られてきて、政府認定のセラピードッグIDが送付される。

それが合法なのか知らないが、詐欺サイトも増えているようだ。セラピー用のベストもオンラインで誰でも簡単に購入することができるので、下手したら認証IDもないのにベストだけ着せている飼い主だっているのかもしれない。






話は違うが、空港では、無料で車椅子の貸し出しをしているが、車椅子を必要としない人たちが、セキュリティの列を飛ばすために悪用している人も増えてきたと言われている。
空港スタッフは車椅子を押すことでいくらかのチップを貰えるので、特に不満はないのかもしれない。もちろん、車椅子を使用するときに、医師診断の証明書等は必要ない。これもどうかと思ってしまう。


ということで、まとめ。

アメリカで介護犬を見かけたとき、ジャケットにSERVICE DOGと書いてあれば、目や体が不自由な人が頼りにしている介護犬で、しっかり訓練されている。飼い主を助けている最中なので、触ったり、話しかけてはいけない。また、飼い主に病状を聞くことはできないし、彼らも答える義務はない。ほとんどの場所に同行可能。





その他のエモーショナルサポートアニマルセラピードッグは、本格的な訓練は必要ない。ペット連れ不可の公共の場所に同行させることができない場合もあるが、飛行機の搭乗も許されているようだ。

そして、堂々とサービスドッグのジャケットを着ている場合がある。

だから飛行機でセラピードッグが隣に乗り合わせていたとしても、ちゃんと訓練されていないかもしれない、ということを念頭に置き、あまり過信せずに多少は注意した方がいいのかもしれない。

ちょっと悲しい話だけど、この事件は、少し考えさせられてしまう。


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